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教育の現場でのソーシャルメディア活用と情報リテラシーについて実験中

筆者は現在、コカ・コーラと兼任で就任した事業構想大学院大学(MPD)の授業でコミュニティをつくり、色々と実験をしている。4月の開講とともに、この授業専門のフェイスブックのグループを作ったのである。グループ自体は存在も明らかにされない秘密の設定であり、参加者も自ら参加したいと申し出た院生だけにしている。しかし、すでに受講生の9割近くが参加して、自分が思った以上に有益に使えているのではないかと考えているので、その一部をシェアしたいと思う。

意外と多かった、グループへの参加者

MPDの院生は20代から60代までと幅が広く、メールアドレスは全員持っていたもののフェイスブックのアカウントは全員が持っていたわけではない。しかし初回の授業で、「グループを開いたら参加するか」と問いかけたところ、多くの人間に「参加する」と答えていただいた。

しかも新しいアカウントを作る人や、オープンしたもののほとんど使っていないアカウントを利用して参加した人も多数いたのである。一つ難点だったのは、友達申請をされてもメッセージをもらわないとそれだけではMPDの院生が同姓同名の可能性もあるため本当に対象者か判明できないために、色々チェックしなければならないことであった。本人のプロフィールページへ行き職業や共通の友人、過去の書き込みなどを総合的に判断して、確信がもてたらグループへ行きその人の名前を入力してグループに追加するのである。

授業のレビューに威力を発揮

当初は授業に対する期待など書き込まれていて、1回目、2回目の授業時にはゆっくりとした立ち上がりであった。グループがコミュニティとしての威力を発揮したのは3回目の授業でゲスト講師が来た後であった。誰もが知っている某大企業の部長の方に登壇いただき、ゲスト講演も皆が真剣に聞いて質疑も活発に行われていたので非常に良かったと筆者は感じたのであるが、時間がオーバーしたために、今回の発表の中の示唆を十分にフィードバックできていなかったと感じたのである。

そこでフェイスブックのグループに講義の感想とポイントを書いたところ、非常に多くの反応を得たのである。誰もが知っている企業でも実際に中で担当されている人の話、特に考え方を聞くことは非常に有益であったようで、多くの感想が交換された。

それでも重要な情報は電子メールで

今回フェイスブックをプラットフォームに選んだのは本名での登録となることから院生の顔も見えて、部外者には情報が届かないという面からである。もともと実名で共通目的のために結びついているので、そのままの関係性をグループにも持ち込めたのではないかと考えている。そして、話すだけではなく書くということは記録に残すことになるので、自分の頭で考えをまとめてからということになる。この考える過程が学問ということには大きな意味を持つのではないかと筆者は考えている。

とはいえ、全ての情報をグループでシェアすることはできないと考えている。例えば講義の運営に関する連絡や資料の送付は全員に平等に行われる必要がある。グループ内では情報は能動的に見ればシェアされるが全員が見られるわけではない。フェイスブックではできないがグループによっては書類のシェアや通知機能など設定できるものもあるのでそちらを使うことも検討できたのであるが、院生の反応を見る上でも今回は敢えて使ってみた。

ペースを考えないとオーバーワークに

先日も授業のテーマに沿った時事問題をポストしたところ、院生の活発な議論が展開されていた。中にはその道の専門家やそれなりに調査をして情報提供する院生もおり、こちらも見識が深くなっているのである。一つ一つの内容が非常に深いものがあり、答えられるものには答えたり、コメントするものにはコメントしているのであるが、数も多く内容も深いためにかなりの時間を取られることとなってしまう。したがってまだ返事ができていないあるいはコメントしていない人もいるのであるが内容は全部目を通していることをここに明言するのでご容赦いただきたいと思っている。

いずれにせよ、院生の活発な議論によってより内容が深まっていることは間違いないので、今後はグループでの議論をベースにこのコラムの論点を見つけてゆくようなことにも挑戦したいと考えている。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー
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