女優のローラさんのインスタグラムストーリー(Story:投稿から24時間で自動消滅する投稿)が話題になっている。ローラさんは米国ホワイトハウスが運営するWE the PEOPLEという請願・署名サイトのStop the landfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa) (©️The White House)という活動への署名呼びかけが話題になっている。(24時間経過したため現在は投稿は消滅している)
筆者はこのような活動はブランド(やタレント)が政治的な意見を明らかにする“Brand Activism” の流れが日本にも来始めている象徴であると考えています。マーケティングの巨匠であるフィリップ・コトラー教授はChristian Sarkar (クリスチャン・サルカール氏)と一緒にMarketing Journalで“Finally Brand Activism”という記事を2017年1月に上げているのである。その内容はかい摘んでいうと以下のようになる:
- 従来のマーケティングのポジショニングでは十分ではなくなってきている。
- 特にミレニアルは意識が高く環境問題などに企業が関与してもらいたがっている。
- The Body Shopはそのような宣言をした最初のブランドで支持を集めている。
- 従来はマーケティング的なCSR活動やロビーイング的なESG活動として行われていた
- ブランドアクティビズムはVALUE(普遍的価値) ドリブンであり、マーケティングドリブンでもなく、コーポレート(企業)ドリブンとも違う。
- ブランドアクティビズムにはSocial, Business, Political, Environmental, Economic, Legalの6分類がある。
という内容である。
今回のローラさんの事例はEnvironmental Activismに該当すると考えられるだろう。
ローラさんは継続的に環境問題に関する発言をしている
ローラさんのインスタをみていると最近は定期的に環境問題に関する発言をしているので今回もその一環と考えられるのではないだろうか?主だったものを上げてみると
- 12月21日には マイペットボトルの写真をあげ #NoMorePlastic #PlasticFree のハッシュタグをつけている。
- 12月5日には元米副大統領アル・ゴア氏と地球温暖化に関して対談をしている.
- 11月19日にはオラウータンの生息地に関する問題を取り上げている。
- 11月13日には森林破壊に関する投稿。
- そのほかに一部をあげると10月28日に2件、10月8日にTBCのCM撮影、9月27日にNative Americanの問題、8月21日にUNICEF、8月3日に猫の問題、7月22日にトイレ問題、7月17日に5月9日プラスチックゴミ問題、5月18日に犬の問題など、環境や社会問題をコンスタントに取り上げている
ローラさんは2016年12月にバイオハザード:ザ・ファイナルでハリウッドデビューをしており、米国での環境問題や社会問題に対する意識の高さを肌で感じて影響された可能性が考えられないだろうか?
ローラさんが出演しているTBCのCMの主張:プラスチック問題
11月19日からエステティックTBCで放映されているテレビCMは「綺麗な海にしか住めない人魚」に扮したローラさんがプラスチックゴミ問題を訴えている内容になっている。
海外では各種ブランドアクティビズムキャンペーンが実施されている
海外のキャンペーンは昔から多くのキャンペーンは実施されているが筆者がKeyNote講演をした11月のHeartCoreDay2018にて紹介した2件をここで紹介したい。
- CVS Health Stop Smoking Campaign
2014年にドラッグチェーンのCVS Healthがタバコ関連商品の販売やめると宣言し、タバコの売上減少を上回る売上を伸ばす。
- NIKE: No Boundaries
2017年2月に人種差別に関するキャンペーンを実施
その他にも中間選挙前の Taylor SwiftやKanye Westをはじめとするセレブの発言が報じられている。国連のSDGs含め色々な社会活動が活発化している中、ブランドアクティビズムはますます世界的な広がりを見せるだろう。日本での浸透のスピードが気になるところである。
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2018.12.23 江端浩人事務所代表 江端浩人
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