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デジタルマーケターの台頭とその課題

最近デジタルマーケティングの潮流が変わったと思っているのは私だけであろうか。2週間ほど前の週末だったと思うが、早朝のテレビ番組で「デジタルマーケター」の話を特集していた。詳しくは覚えていないが、データを駆使して消費者の行動を分析し、ソーシャルメディアやビッグデータを活用するのがデジタルマーケターという新しい職業というような触れ込みであった。

ついに一職業ジャンルとして認められたという気持ちと、逆に今までは認められていなかったのかという複雑な思いに駆られたことを覚えている。しかし、特に今年に入ってみると明らかにマーケットが変わっているということが感じられる出来事が多く起きているのである。

以前のコラムでも紹介したが、6月5、6日に開催されたad:tech九州はマーケティングイベントとしては過去の最高を記録した。

そのイベントには約800人がスピーカー、展示者、あるいは参加者として東京を離れたにも関わらず、6月5日に開催された宣伝会議インターネットフォーラム2013も過去最高を大幅に更新したということである。このようなイベントに協賛している人たちからも明らかに「反応が良い」「人出が多くなっている」といった声が聞こえてくる。

筆者はこれはITとマーケティングが融合してきたからだと考えている。今までIT部門とマーケティング部門は違う予算で違う仕事をしてきたのであるが、広告のテクノロジーが進化してきたのでマーケティングにITを活用するために共同で考える必要が出てきたのである。さらに言うとソーシャルを代表とするデジタルメディアの進化とデジタルマーケティング施策の効率化も寄与しているのでないだろうか?

さらに、最近色々な業界の人間と話をしていると人も動いているようである。まず、最近会った人材紹介会社の人は“デジタル業界の人は引く手あまたで供給が少なくなった”と言っていた。そして4月以降に色々な業界の方が、部署を移動したり、部署内で昇進したり、デジタル専門部署が創設されたり、デジタルの専業会社の人数が増えたりしている。非常に大きな潮流の変化だと考えられる。

ただし、一方でそれが必ずしも上手くいっていないという話も入ってくる。例えばであるが、新設されたデジタルマーケティングに他部署から移籍するケースなどである。やはり、まだデジタルネイティブの人間が少ないために、また実務にデジタルネイティブの人間には実務に専念してもらう方が効率が良いからである。

そして以前もコラムで書いたが、そのために有効な施策の一つが「リバースメンタリング」である。デジタルネイティブな社員が多くの場合年配の役職者に対して定期的にデジタル機器やソフトウェアやゲームの指南をするものだ。

社員間のコミュニケーションも広がるし、役職者のデジタルリテラシーも上がるのではないだろうか。この動きが一時的なものであるかそれとも今後もずっと継続するのかわからないのであるが、筆者の見解ではしばらく続きそうな勢いではないだろうか?皆さんもこのような目でもう一度周りを見渡しでイベントなどに参加してみてはいかがだろう。

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