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インターネット時代に求められる権利処理の簡素化

タレントの広告起用に大きなハードル

「あの有力事務所が、ついに所属タレントの写真掲載を解禁」との情報が、先週末にツイッター経由で流れてきた。サイトを調べると、確かに今まで載っていなかったアーティストのプロフィール写真が掲載されている。日本最大の男性アイドル事務所がついにインターネットにタレントのプロフィール写真をアップしたことは、インターネット業界・広告業界にとっても大きな出来事であると思う。彼らがブログやツイッターを始めれば、多くのファンが集まることも容易に想像ができる。

筆者は2005年に日本コカ・コーラに入社してからしばらく、あることに悩まされていた。広告契約したタレントのほとんどが、製品ブランドサイトへのCM掲載以外のインターネットの使用を許諾しなかったのである。中には製品ブランドサイトへの掲載もできないタレントもいた。したがって、筆者のミッションである「インターネットメディアを利用してコカ・コーラ社製品ブランドをサポートする」というミッションが遂行できないというジレンマが続いたものである。

しかし、インターネットの市場が大きくなるにつれ、インターネット広告へのタレント露出についても契約に入ってくるようになった。これは、「インターネット出演できないタレントと契約しない」という方針を持つ企業が徐々に広がっていったことによるものが大きい。また、このころはまだいわゆる静止画を活用することが多かったと思われる。

ネット動画の普及で「音楽配信」の壁が浮上

そしてタレントのインターネット権利活用は08年くらいから企業のネット動画の利用によって、さらに広がっていった。ユーチューブでの企業チャンネルの活用やヤフーを中心とするポータルのフラッシュバナーの普及、そして「続きはWebで」というテレビCMが出てきたことなどで、広告契約の中にインターネットの項目が増えてきた。少なくとも、広告契約を既存メディアとインターネット別々に結ぶようなことは、最近ではほとんどなくなったといえるだろう。

しかし、まだ、音楽の権利処理を中心に各種の障害があるのも事実である。特に顕著なのが、最近流行ってきているユーストリームやニコ生、ツイットキャストなどのライブ配信である。有名なミュージシャンのユーストリーム番組でさえこの問題があるために、自分の曲を配信できなかったり、代わりに生演奏で歌ったりしているのが現状のようである。カラオケの楽曲権利もしかりで、カラオケを歌っているシーンの生配信に対するハードルが大きい。

今回の一件が、タレントなど著名人をめぐるインターネット上の権利処理の簡素化に向かう大きな一歩となればと思う。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー
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