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ソーシャル・ネットワークで悪用されないために

情報拡散のスピードは増す一方

ソーシャル・ネットワークの力で世界が変わりつつある。記憶に新しいところだけでも、チュニジアの政変やエジプトのデモはフェースブックなどで市民が情報を交換したことが大きく後押ししたと言われている。

しかし、情報の流通手段が置き換わるだけでこのような変化が起こるのかと、疑問に思う方もいるかもしれない。歴史上では20年以上前、1980年代のソ連の崩壊はペレストロイカ(再構築)の一環として行われたグラスノスチ(情報公開)によるところも大きいと評されている。今回のチュニジアやエジプトは、フェースブックのようなソーシャルメディアで市民同士が情報を交換できたことによる効果が大きかった。そしてIT化された情報公開は、グラスノスチの時より早いスピードで改革が行われていったのである。ソーシャルメディアは社会のインフラとなったといえるのではないだろうか。

しかし、その一方で逆の意味で危険な兆候も見え始めている。年末にツイッター上で、有名なハリウッド俳優が事故死との誤報が流れたことがあった。そのニュースは偽ニュースサイトのリンクがあり一見本当のように見えたため、多くの人が情報を広めていったのである。ツイッターではRT(リツイート)という手法、フェースブックやミクシィでは「いいね!」やコメント、メールではフォワード(転送)で多くの人間に瞬時に情報拡散が可能なので、とにかくスピードが速い。

鵜呑みにせず、情報元チェックの習慣を

このニュースが流れたときに私は偽とは知らずにニュースサイトを見たのであるが、念のために他でも報道されているかチェックしたのである。結局日本やアメリカの他では一切報道されておらず、偽ニュースサイトの記事の下のほうに小さく事実と異なる旨の表記があることを確認してから“火消し”に走った。

間違った情報が拡散した時には、とにかくそのニュースを広めている人を見つけて瞬時に訂正することが大事である。私が多くの人に「デマです。うそサイトの情報です」などとコメントを残していくと、発言を訂正してくれたりRTを消してくれたりしている。そして、何よりもその人たちが、同じように間違った発言をした人を見つけて訂正してくれるようになるのである。このサイクルに乗ると逆に面白いようにデマは消えていったのである。

このように情報を鵜呑みにしないように“裏取り”を習慣化することは重要なことであるが、一度だけ私も誤った情報を広げてしまったことがある。先月米国で起きた銃撃事件で議員が亡くなったという情報をRTで広げてしまった。このときもきちんと他の報道も調べたのだが、どの報道機関も亡くなったと報道し、著名人がお悔やみの言葉を発信していたのである。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー
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