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急激に進化を遂げるGoogle+はフェイスブックに対抗する勢力になりうるのか?

最近、にわかに激化しているのがグーグルとフェイスブックの戦いである。昨年よりフェイスブックがグーグルの優秀な人材の引き抜きにかかり、グーグルは引き抜きを阻止するために従業員の待遇改善を発表するなど両者の争いが表面化していた。しかしグーグルが自前のソーシャル・ネットワーキング・サービス「Google+(グーグルプラス)」を2011年6月28日に開始したことにより、その争いは一気に加速したといってよいだろう。

先週の報道だけを見ても、7月26日にフェイスブックが「Facebookビジネス(Facebook for Business)」の開始を発表し、翌27日にはグーグルがGoogle+でのニックネーム利用とアカウント停止前の警告を行うことを発表するなど、お互いを意識した発表が目まぐるしく行われている。しかしソーシャル・ネットワーキング・サービスでは既に世界で7億人以上のユーザーを誇るフェイスブックに検索で覇権を保ってきたグーグルは対抗できるのであろうか。特に日本のマーケットを中心に考えてみたい。

ご存知ない方のために、そもそもGoogle+とはどのようなサービスかというと、自分の人間関係を「Circles(サークル)」と呼ばれる関係に分類する点が特筆されるだろう。フェイスブックが単純に「友達」の関係しかないのに対して、登録時に「家族・親戚」「友人」「知人」「フォロー中」などのCirclesを作成し、人間関係をそこに分類する。

さらにフェイスブックの「いいね!」ボタンに相当する「+1(プラスワン)」ボタンがあり、これを利用して自分のCirclesの志向などがわかるというものである。(注:グーグルは「Google+とは?」いう解説サイトを開いているので詳しくはそこを参照されたい)

Google+はまだ実験段階であり、全てのユーザーが利用できるわけではないそうだが、筆者は幸運にも招待され登録できた。筆者がGoogle+を使った感想は、まだまだ広がるのには時間がかかるが、将来的にはそれなりの可能性があるのではないかというものである。

Circlesは新しい概念だが、全ての関係を「友達」と割り切ってしまうよりは実情に合っている。そして、日本では個人差はあるもののこのような使い方をしているのではないだろうか。たとえば筆者は家族や一番親しい友人とは個人の携帯メールで連絡を取り、親戚や学校の友人はmixi、仕事関係の知人は会社の携帯やフェイスブック、有名人の動向はアメブロ、有識者や業界の情報はツイッターやLivedoor Blogで得るというようにメディアを使い分けているのであるが、これらの多くを取りまとめることが可能な構造になっているということである。

つまりCirclesの考え方は今までのソーシャルメディアの多くをそのまま取り込めるものになっているということである。現在Circles以外のメインのコンテンツは10人までビデオ会議が出来るHangoutsや自分の趣味や興味関心がシェアできるSparksといった機能があり、今後も拡大してゆくと思われる。

そしてもうひとつ日本での普及の鍵になると考えるのは、7月27日にグーグルが発表したGoogle+に関する発表の中に、筆者が以前このコラムでフェイスブック普及に必要と指摘した2つの提言が入っているからである。

ひとつ目は、本名で登録しなければいけないのであるがニックネームでの交信を認めたことである。筆者が「『ソーシャルメディア文化』めぐる日米の違い」の中で書いたように、日本人は「匿名」のような間接表現を好み「フェイスブック、日本では携帯電話との競争に」の中で書いたように、本名を公開することに日本人の90%近くの人に抵抗感があるのという点がほぼクリアされている。

また「フェイスブックのアカウント閉鎖を考える」で指摘したように、ポリシーに反していても突然にアカウントを閉鎖するのではなく、警告し修正申告する猶予を与えることにするということである。

これは同社がポリシーに違反したユーザーの削除を行ったところ大きな反響があったことに起因するということであるが、同社の柔軟な姿勢が垣間見ることができるのではないか。フェイスブックが今まで一方的にアカウント閉鎖を行ったり、FBMLプログラミング言語のサポートを中止したりしたのに比べ、ユーザーと会話をしながらソーシャルメディアのプラットフォームを一緒に作ってゆくという姿勢は評価される可能性が高いと考える。

そして、今はまだユーザーベースとして少ないのであるが、スマートフォンの拡大とともにユーザーを増やしているGmailやスマートフォンのOSとして新機種のシェアでトップに立ったAndroid OSなどを活用し、ソーシャルグラフの移行や取得に成功すれば、少なくとも日本などフェイスブックの浸透率が低いマーケットでは急激にプレゼンスを高める可能性があるのではないかと考えるのである。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー
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