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スマートフォンの普及に誘発される通信料金の再編について考えてみた

ソーシャルメディアの普及でスマートフォンの利用意向が高まっているが、スマートフォンの特性を生かしたコンテンツが携帯電話の回線容量を圧迫することが予想されている。

スマートフォンは従来の携帯(フィーチャーフォン)と比べて画面が大きいのでインターネットのサイトを閲覧したり、ゲームで遊んだり、動画を見たりすることに適している。さらにアプリケーションというプログラムをダウンロードし機能を拡張して利用することが一般的である。

MM総研はスマートフォンユーザーの利用実態調査の中で、「スマートフォンユーザーのWebサイト閲覧時間は携帯電話ユーザーの約3倍」、また「動画サイトの閲覧時間は携帯電話の4分/日に対しスマートフォンでは17分/日と4倍以上」としている。それらのコンテンツは容量が大きく、正確な数字は把握できないが、スマートフォンはフィーチャーフォンのおおよそ20倍近くのデータ通信量があると言われている。

このような動向を受け、ネットワークの容量不足が予想される携帯各社はそれぞれ対応を始めているのだが、筆者はその対応によって今後の日本のモバイルインターネット業界に大きな影響を与える可能性があると見ている。

日本の携帯のインターネット関しては、当初は携帯各社の公式サイトを通じて普及が進んだ。番号を変えずに携帯会社を変更できるモバイルナンバーポータビリティ(MNP)の導入により、全キャリアで使えるサービスが普及したのである。その時に、携帯各社がそれまではパケット課金がメインであった料金体系を定額制に切り替えて顧客獲得合戦を繰り広げてきた。そしてその結果、日本の携帯インターネットは激しい競争によるサービス向上を成し遂げ、世界でも類を見ないインフラとして発展しているのである。世界ではまだパケット課金が中心になっており、そのため携帯のインターネットが日本ほど普及していない。そこで、各国で定額インターネットの導入の検討が始まっているのである。

筆者はスマートフォンの普及による容量制限が定額のインターネット接続から従量型への移行を促しているのであれば、世界をリードしている日本の携帯インターネット業界に悪影響を及ぼすのではと密かに危惧している。その一方で、最終的な形はスマートフォンへの移行に伴い消費者が何を基準に携帯会社を選ぶかということにあると考えるので大きな心配は要らないのかもしれない。というのも、顧客獲得の競争力を考える場合には定額制が有利であり、逆に定額制にしながらも、近くのインターネット接続(Wi-Fi)などを探し、大容量コンテンツに関してはそちらを優先的に使うなど、自社内のみでの解決を図らずに色々なオプションを組み合わせられるようになる可能性もあると考えるからである。

そのような仕組みを構築しておけば災害時などに、接続できるネットワーク経由で通話は出来なくとも色々な情報を得ることができる。災害時の情報伝達手段確保にパケット通信の活用に関しては、『災害時の情報伝達手段確保に「パケット通信」の活用を』というコラムも書いているのでぜひ参照されたい。スマートフォンの普及が、従量制への逆行ではなく新しい社会のインフラ構築に向いてほしいと願っている。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー
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