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「進むべきか、止めるべきか?」 続・ソーシャルメディアの普及に伴い情報管理問題が表面化

8月10日に掲載したコラム「ソーシャルメディアの普及に伴い情報管理問題が表面化?」には色々な反応やご意見をいただいた。中には「企業のシステム担当者の今年最大のテーマは、従業員のソーシャルメディア利用をどう禁止するかになっちゃいそうですねぇ」という意見まであったのである。さらにこの記事掲載と直接関係ないであろうが、本件に関してテレビの特集の取材も受けた。

ソーシャルメディアが普及したことによって、企業もどう向き合うか真剣に考えねばならないステージに来ていると感じる。前回に引き続き、ソーシャルメディアとの向き合い方を色々な企業の事例を踏まえて紹介し、考えてみたい。

1 従業員全員がソーシャル顧客サービス窓口

世界で最も有名な事例はTwelpforce @ Best Buyであろう。米国の量販店のBest Buy(ベストバイ)では全従業員が一つのツイッターアカウントへのアクセス権を持ち、自分が答えられる質問にどんどん答えてゆくという方法をとっている。顧客はツイッター上で@twelpforce(TwitterとHelpforce<答えてくれる人>を掛け合わせた造語)に向けてつぶやくだけで、従業員が答えてくれるというものである。

Best Buyの従業員は番号で認識されプライベートとは別のIDを取得し、業務として上長の許可を得て行っているということである。Twelpforceのサービスは2009年6月から行っているが、現在でも活発にやり取りがされていることが確認できる。

コンセプトは全員参加であるが、実際には全ての従業員がこのプログラムに参加しているということでは無いようである。いずれによ、このような仕組みを導入するためには従業員に対するトレーニングとともに、会社としてのリプライを約束しているので、全ての質問が答えられているかをチェックする必要がある。筆者は個人的にこの方法は一つの理想ではないかとも思うが、日本企業で制度化して導入するには様々なハードルやリスクがあるのでどちらかというと小規模のサービスでインターネットに精通している従業員が多い企業に向いているのではないかと考えている。

※画像をクリックするとTwitterページが表示されます

2 ソーシャルリスニング:ソーシャル上の生活者の声を集めて活用・反応

Twelpforceが直接的な顧客対応手法だったことに対して、ソーシャルリスニングは間接的にソーシャル上の顧客の声を収集し、活用する方法である。活用にはいくつか方法があるが、主にマーケティング調査の用途としての情報分析と顧客サービス的な活用方法に分けられるだろう。マーケティング分析はある商品・サービスやブランドに対しての発言量や発言内容を統計化する定量的なものと内容を分析する定性的なものがある。内容はその企業の商品・サービスの開発や改良、マーケティング手法の評価などに使われるのである。

あるいは、内容によっては直接、つぶやいたユーザーに対して返信をすることもある。特に誤った情報や顧客が何らかの不満を持っている場合にこの手法がとられるケースが多い。日本ではまだ一般的ではないが米コカ・コーラをはじめ企業によっては定期的に情報をモニターし、重要度に応じてエスカレーションをして顧客の質問や不満に対応しているところも多くなってきているようである。この場合も会社の代表として専門のトレーニングを受けてから対応しているケースが多いといえるだろう。

3 リスクを回避するために、ソーシャルメディア全面禁止

筆者の聞くところによると、報道を生業とする企業や金融機関など重要な社会的な情報や個人情報を扱う企業はソーシャルメディアに対する制約が強いようである。このような企業では、業務以外でも個人でのソーシャルメディア活用を制限する向きもあるということである。情報を扱う上では専門家であっても、誤って漏洩した場合の社会的インパクトが大きく、会社経営上のリスクも高い上、止むを得ない措置であると考える。

一方でソーシャルメディアのアカウント運用者を規定して公式アカウントを通じての情報発信やユーザーとの交流を行っている企業も徐々に増えてきたのではないだろうか?企業としてはどちらかというとお堅いイメージのあるNHK広報局のツイッターアカウントはそのゆるさから35万人ものフォロワーを集めているのである。

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このように、企業によって全く違うスタンスでソーシャルメディアに向き合っていることがお分かりいただけただろうか? ただし会社としてのソーシャルメディア活動を制限したとしても、個人ベースでの利用は、相性のいいスマートフォンの普及とともに今後はますます広がってゆくことを認識しておく必要があるだろう。つまりこれからは企業として使う・使わないにかかわらず、ますますソーシャルへの対応を考えざるを得ない。そのような状況でこの記事が前のものと合わせてあなたの会社のあり方を考える場合の一助になれば幸いである。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー
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