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Windows 8をタブレットに入れたレポートをしようとしたら、Surfaceが発表されました!

矢継ぎ早に新製品を発表するマイクロソフトの戦略は何か

6月18日、会社の私の部屋にある同僚が流れ込んできた。『江端さん、Surfaceもっていないよね?』。Surface(サーフェス)はその前の日にロサンゼルスで発表されたマイクロソフト社製の初のタブレット型端末で当然私は持っているわけが無いのであるが、その同僚はニュースで見てどうしても見たくなり『ひょっとして』と思って、私のところに駆けつけたということであった。どうも以前日本発売前に米国ad:tech SFで入手したiPadを持っていたことを覚えていたようだ。私は「Surfaceはもっていないけど、Windows 8をいれたタブレットならあるよ」と答えた。

マイクロソフトが発表した、新型タブレット”Surface”とWindows Phone 8

筆者も実はこのニュースを見て驚きを隠せなかったと同時に少々困惑していた。というのも“Windows 8をタブレットにインストールするとこんな世界が展開される”という内容の記事を予定していたのであるが、それを上回る製品、つまり“Surface”が発表されてしまったからである。さらにSurfaceの発表から2日後のWindows Phone SummitではWindows Phone8に関しての発表が行われた。したがって、今回はタブレットの使用感のみならず、自社開発に切り替えたマイクロソフトの今後の戦略について占ってみたいと思う。

筆者が自作のWindows8タブレットを使用して感じたのが、まず、起動が早いということである。筆者のタブレットでは完全にシャットダウンしてから立ち上がるまでおおよそ12秒程度(たまに20秒近く)で立ち上がる(スタンバイモードでは1~2秒)。これは従来のWindows製品と比べてはるかに早い。皆さんもきっと経験があるであろう、会社に着いてからパソコンが立ち上がるまでイライラするという現象は解消されたといえるのではなかろうか。

ただ、立ち上げてもワイアレス機器が認識されないこともあり、この現象は数回再起動すると解消されることが多いため、ハードウェアの認証より早くパソコンが起動していると考えられるのである。今回Surfaceのためにマイクロソフトは200種類以上のオリジナルの部品を設計したというが、小型軽量化に加えこのようにWindows 8のスピードに対応するために開発が必要だった可能性もあるのではなかろうか?

ドッキングステーションにつなげると、PCとタブレットとの使い分けが可能に

筆者はWindows8をインストールしたパソコンを会社ではドッキングステーションに差して利用している。ドッキングステーションには複数のUSBハブが用意されているためにキーボードとマウスを接続すると、デスクトップと同じような感覚で利用できるのである。しかも、従来のオフィス製品(Word, Powerpoint, Excelなど)が使えるので、業務で利用しても全く問題ない。但し、タブレット端末には容量など物理的な制約が多いことも多いので、追加でハードディスクや各種メディアの読取装置も用意することが必要かもしれない。そして、取り外してタブレットとして使う場合には新しいメトロスタイルというインターフェィスがものをいう。従来のiPadと比較するとセットアップ時にパソコンが必要ないという点とUSBであらゆる機器につなげられることが非常に便利であると感じた。

なぜこの時期に発表したのか?

では、なぜマイクロソフトはこの時期にタブレットやWindows Phoneを相次いで発表したのか考えてみたい。一つにはやはりタブレット・スマートフォン分野で相当出遅れたということが挙げられるだろう。この分野でのマイクロソフトシェアはわずか5%程度に過ぎず、60%以上を持つアップル社などに大きな遅れを取っていた。最近ではマイクロソフトの得意とするビジネスの企業顧客基盤までも業務用にカスタマイズされたタブレット端末に侵食され始めたのである。今回の発表で私の回りでも、特に社内システムの担当者などからは「今までの資産を活用でき、セキュリティにも定評のあるウィンドウズが社内導入しやすい」という声が挙がっている。

ハードウェアメーカーとの蜜月関係は崩れるか?

この様に、個人やビジネスからは期待の高いWindows 8であるが、パソコン時代に守ってきた従来のビジネスモデルを崩してリスクは無いのであろうか? もちろん自社ではソフトウェアだけ供給するという選択肢もあったのであろうが、タブレット端末での命運を他社任せにすることはできないという判断が働いたのであろう。そして、パソコンメーカーなども落胆することは無いのではないかと筆者は考える。

Windows 8は他社にライセンスされないアップル社のOSと違いタブレットにも導入が可能なのであり、今までの開発資産が活用できるのである。シェア回復とこの新しいインターフェィスが普及するまで自らリスクをとり製品を導入し、マーケティングや販促活動を行うことで市場を立ち上げ、自らメーカーをリードする必要があったのではないか? しかもWindows8の基本となるアプリはパソコン・タブレットに・スマートフォン共通で利用でき、開発言語も多岐にわたるためにソフトウェアベンダーの効率も上がる。そしてその戦略は個人やビジネスサイドから収益を上げながら拡げてゆく事を目指しているのではないかと思えるのである。Windows Phone 8ではNFCが標準サポートされるという点ではオサイフケータイ派の筆者にも非常に気になるポイントである。

これらWindows 8やSurface、Windows Phone 8の発売日や価格など詳細は発表されていないが新しい時代の到来を期待させる製品が人々のライフスタイルにどう作用するのか注目したいとともに発売されたら直ぐ、いや発売される前にでも是非手に入れたいと思うのである。と書いているうちに次の発表がされないといいのだが。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー

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