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ヒットするコンテンツとビジネスの発想・分析方法の類似

企画とは、“気づき、考え、比べる”こと

先日、事業構想大学院大学で私が担当するプロモーション・マネージメントの授業に人気プロデューサーでヒットメーカーのおちまさと氏(ブログはこちら)に登壇いただいた。このプロモーション・マネージメントは主に世の中で認知される施策の要素やそれらを広める手法を分析し、いわゆるヒットのコツを紐解いてゆく授業であり、参加者も非常に熱心である。おちまさとさんの授業内容は“発想方法”であったのであるが、そのなかで筆者が面白いと感じた話があったので一部紹介したい。

おち氏の授業は企画について考える方法を体系的に説明するものであったが“企画”を平仮名の“きかく”に分けて、“き”を“気づき”(ただし単なる感想ではなくマーケティングでいうインサイト)、“か”を“考える”、そして“く”を“比べる”としたのである。すなわち“気づき、考え、比べる”ことにより“企画”することが可能になり、その能力を高めることがプロデュース力を高めるということだそうだ。この詳しい内容は本人の著書「気づく技術」に書いてあるということなので、興味を持たれた方は是非お読みになっては如何だろうか。

授業内では気づきを高めるために自分の強みや弱みを書き出し、それを誰かにシェアしてフィードバックをもらうということを行った。そのことにより自分では気づくことのできなかった側面が見えてきたり、弱みだと思ったことが逆に強みだったりその逆も考えられるようになったのである。これはまさに、ビジネスや事業を分析する際に行う“SWOT分析”と酷似していると筆者は感じたのである。

ちなみにSWOT分析とはwikipediaによると目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人の、プロジェクトやベンチャービジネスなどにおける、強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) を評価するのに用いられる戦略計画ツールの一つであり、目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人の、プロジェクトやベンチャービジネスなど利用されているのである。

そのほか、各種分析方法などが紹介されたのであるが、おち氏によると、ヒットする企画には“ふり幅”(ギャップ)と“ありそうでなかった”という要素が必要だということであった。企画を考える場合にその企画が本当に良い、すなわち競争力のあるものかを考える際には色々な角度から考えるのであるが、筆者はそのプロセスをファイブフォーセス分析に酷似していると感じたのである。

過去の多様な事例から現代を読み解くヒントを得る

ファイブフォーセス分析とはwikipediaによると「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」という3つの内的要因と、「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の2つの外的要因、計5つの要因から業界全体の魅力度を判断することであるが、これを活用してそのまま企画の魅力度を計ることが可能になってくるのである。

授業後に話をしたところ、おち氏は、SWOT分析やファイブフォース分析を知らなかったのであるが、ヒットする企画の開発手法とビジネス分析に共通点があることは筆者には新鮮な驚きであった。また、最後のくらべるという点は、過去の多様な事例を探してきてそれと比べるということだそうである。例えば現在の選挙に向けた政治状況を見るときには、新規政党の立ち上げや政党からの離脱が起こっている状況を似た現象が過去に行われなかったかということを分析するそうである。

歴史をたどってゆくと、全く違うジャンルであるがこれは多くのプロレス団体が立ち上がってきた時期と似ているそうである。いよいよ来週には総選挙の結果が出てくるのであるが、どのような結果になっており、それが過去のプロレス団体の状況とどう重なるのか今から興味津々である。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー

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