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歴史は繰り返す? スマートフォン普及に伴う訴訟合戦に見る知的財産権戦略

アップルとサムスンは世界中で全面対決の様相

先週、アップル社によるサムスン社との特許訴訟の一次判決が日米でそれぞれ下された。米国の訴訟はサムスン社のアップル社への特許侵害に関して争っており、8月25日に米地裁の陪審員裁判でサムスン社に10億ドル(約8000億円)の損害賠償を認める判決が下された。日本では訴訟はiPhoneやiPadの特許権侵害に関して1億円の損害賠償を巡って争っており、8月31日に東京地裁はアップル社側の請求を棄却した。

両社はこれ以外にも多くの国で訴訟を抱えており(10カ国で50件以上という報道有)、それぞれ全面的に争う構えを見せていることからそれらの行方が注目されている。そして、このような訴訟は両社だけではなくスマートフォンやタブレットの世界的な普及に伴って益々重要性を増してくることも考えられるのである。

このように新しい市場が飛躍的に伸びるときには技術革新あるいは飛躍的なインターフェースの改革が行われるものである。そして消費者に支持される新しいスタイルが登場した時には利益やシェアを求め多くの模倣品が出てきて、ある意味それらがさらなる流行を形成するのである。そして先行者がその利益を守るために知的財産権(特許、商標、意匠、著作権など)を主張するのである。

このようなケースはかつては携帯音楽プレーヤーや最近ではモバイルゲームなどでも見られたが、今回の一連のケースで筆者が思い出したのは1999~2000年に起こったアップル社のソーテック社に対する一連の訴訟である。

デザインが商標として認められるケースも

覚えている読者も多いかもしれないが、この訴訟は当時、半透明の一体型パソコンとして売れていたiMacのデザインを模倣したとしてアップル社がe-one 433を発売していたソーテック社を訴えたものである。この時はアップル社が1999年8月24日に不正競争防止法を根拠に東京地裁に提訴、9月20日に製造及び販売を禁止する仮処分を受けて、ソーテックは9月21日以降e-one 433の販売を停止した。両社は翌年の1月24日に和解を行い、ソーテックが1000万円の和解金を支払いe-oneの製造販売、輸出を行わないというものであった。

1999年 当時のiMac(上)とe-one 433(下)

企業が新規商品の模倣を守るために使われる知的財産権は主に特許、商標や意匠である。特許は新規発明に関して付与される権利で以前はビジネスの方法やソフトウェアに関しては守られるケースは少なかったのであるが1990年代後半から「ビジネスモデル特許」と言われるものが台頭しソフトウェアやプロセスなどにも適用されるようになった。

ライセンスすれば革新的な発明に関しては莫大な許諾料が発生することもあり範囲は広いが、一方でプロセスを回避されたり特許そのものの有効性を争う裁判に発展するケースもあり、権利を主張するまでのハードルは高い。日本の大手企業ではどちらかというと他社からの侵害のリスクをヘッジするために使われるケースも見受けられる。

その一方で商標はサービスや製品の呼称やデザインに関して、登録すれば類似のものは排除できる。また、最近では意匠に近いデザインなどに関しても商標が認められるケースも出てきたのである。意匠は新規性を伴うデザインに関しての権利である。量産可能なものとしており、個人の創作性などは著作物として著作権で守られることとなる。

前述したようにこのような知的財産権を巡る国際的な争いはスマートフォンやタブレットの世界的な普及により活性化してくるであろう。そして、その争いを有利に進めるために各種権利の出願や以前のコラムで紹介したように高額での売買やライセンスなど多様な取引が出てくることになるであろう。製品やサービスのように直接消費者の目に見えないこの分野からも目が離せないのである。

また私事ながら、今週よりプロフィールが変更になりました。新しい職場でも心機一転頑張りますので引き続きご指導ご鞭撻よろしくお願いします。

第159回 「メディアの融合による新たな施策が続々登場」はこちら

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